Experiment 11 第35回 ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(G3)考察② 過去10年間のレースの傾向
まずは、道悪のレースを考察。
・2007年
1着 マイネサマンサ 7歳 470kg(+2)1.50.2 10-11-13-12 36.3 蛯名 正義 56.0 8番人気(31.1) 調教師 中村 均
直近のG1ヴィクトリアマイルは、自力の差で惨敗しているが、G2・G3では、連対を果たしており、稍重でも2着している。馬場が味方したのだろう。中山競馬場は、0001。1800mは、0102。1着になる理由がないようにみえるが、この馬の持ち時計1.46.9はメンバー中5位(1位は、1.46.5)であるが、稍重で記録されたものという事を考えれば納得もできる。
2着 ウイングレット 6歳 478kg(+4)1.50.2 (クビ) 07-09-09-07 36.6 田中 勝春 55.0 3番人気(6.6) 調教師 宗方 義忠
この馬も、マイネサマンサと同じ。G1では少し足りないが、G2・G3では勝ち負け出来る馬。馬場適性もあった。中山競馬場は、2111。1800mは、3013。
3着 ヤマニンメルベイユ 5歳 480kg(+2)1.50.2 (ハナ) 01-01-01-01 37.2 勝浦 正樹 53.0 12番人気(40.6) 調教師 栗田 博憲
この馬と4着馬との差は、位置どりだけ。両馬共に馬場適性はあったが、この馬は逃げた事が功を奏した。中山競馬場は、2110。1800mは、2113。
4着 ピアチェヴォーレ 6歳 442kg(+4) 1.50.3 (クビ) 05-05-08-07 36.8 小幡 初広 51.0 7番人気(31.1) 調教師 宗方 義忠
中山競馬場は、0011。1800mは、2546。
5着 キストゥヘヴン 4歳 430(-2) 1.50.3(クビ) 16-15-15-15 36.0 横山 典弘 56.0 2番人気(6.6) 調教師 戸田 博文
2番人気キストゥヘヴンは、桜花賞馬。近走の成績が良くなかったが、2番人気におされた。5着まで来られたのは、馬場適性があったからだろう。中山競馬場は、2101。1800mは、1000。
13着 アサヒライジング 4歳 510(+6)1.51.8(ハナ) 07-05-04-03 38.4 柴田 善臣 56.5 1番人気(2.3) 調教師 古賀 慎明
1着人気アサヒライジングは、桜花賞4着、オークス3着、アメリカのオークス2着、秋華賞2着、エリザベス女王杯4着の成績から人気を集めたが、重馬場が影響して惨敗。 中山競馬場は、2011。1800mは、0000。
これらのデータから、馬場適性(中山競馬場&馬場の状態)と1800mの適性以外に馬の格は重要だと言えないだろうか。2009年(稍重)と2012年(重)のレースではどうだったのかを確認したい。
・2009年
稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている馬は13頭。そのうち①G1レースで3着以上の成績をあげている馬②G2レースで3着以上の成績をあげていて中山競馬場で2着以上か1800mで2着以上の成績をあげている馬③G3でも1800mでも1着のある馬は、マイネカンナ(5着)、ピンクカメオ(2着)、キッストゥヘブン(1着)、カレイジャスミン(12着)、トールポピー(10着)。
また、上記以外の馬で稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている11頭の中で、中山競馬場で2着以上の成績をあげていて、かつ1800mで1着のる馬は、ヤマニンメルベイユ(16着)、ダンスオールナイト(3着)。
この絞り込みで残った馬は7頭。5着までに入った馬でこの中に入っていない馬4着のザレマのみとなっている。
・2012年
稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている馬は13頭。そのうち ①G1レースで3着以上の成績をあげている馬 ②G2レースで3着以上の成績をあげていて中山競馬場で2着以上か1800mで2着以上の成績をあげている馬 ③G3でも1800mで1着のある馬は、マイネイザベル(4着)、イタリアンレッド(14着)、アプリコットフィズ(8着)、スピードリッパー(10着)、アニメイトバイオ(15着)、レディアルバローザ(1着)、ドナウブルー(11着)、ホエールキャプチャ(5着)。
また、上記以外の馬で稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている13頭の中で、中山競馬場で2着以上の成績をあげていて、かつ1800mで1着のる馬は、エオリアンハーブ(3着)、オールザットジャズ(2着)、コスモネモシン(6着)、パールシャドウ(12着)。
この絞り込みで残った馬は12頭。5着までに入った馬は全てこの中に入っている。(※中山競馬場初出稿の馬は右回りで1着があることを条件とした。)
このやり方で、検証の題材とした2007年はどうだったかと言うと、
・2007年
稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている馬は13頭。そのうち ①G1レースで3着以上の成績をあげている馬 ②G2レースで3着以上の成績をあげていて中山競馬場で2着以上か1800mで2着以上の成績をあげている馬 ③G3で3着以上の成績をあげていて1800mで1着のある馬は、マイネサマンサ(1着)、キッストゥヘブン(5着)、ウイングレット(2着)、アサヒライジング(13着)。
また、稍重・重・不良の芝で3着以上の成績をあげている13頭の中で、中山競馬場で2着以上の成績をあげていて、かつ1800mで1着のる馬は、ヤマニンメルベイユ(3着)、ロフティーエイム(7着)、キープクワイエット(8着)、マドモアゼルドパリ(9着)。
この絞り込みで残った馬は8頭。5着までに入った馬でこの中に入っていない馬4着のピアチェヴォーレのみとなっている。
このの絞り込みを良馬場で行われたレースに当てはめてみる。2011年は阪神競馬場で行われたので残りは6開催。そのうち、2014年・2015年の2開催で3着の馬が絞り込みから外れてしまい、全レースにこの絞り込みが適応されるという結果にはならなかった。 しかし、絞り込みで残った馬が平均で約8頭と出走馬の半分を減らせるこの手法はかなり有効とも思われる。
次回は、この絞り込みを併用しながら出走馬の取捨を行う。